「日本の百名山をすべて登る。」 特集その5




東北道を北上して、青森までたどり着く間に、
4回の着信と2回のメールがあった。


4回の電話は部下の広報担当のキタムラノリカからであった、、



「ランジェリー部門の営業がうまくいっていなく、
営業の坂本から相談を受けています。どうすればいいですか?」



こんな文面のメールが届いた、、、

その後続けざまに4回携帯電話が鳴ったが、高速で運転中だった為、
出なかった、、、


基本的に運転中は電話には出ない。


もう一回のメール内容は里美からのメールだった。


「昨日寝言で知らない女の人の名前をつぶやいてたけど、、誰?」


文面を見て思わず、ハンドルを思い切り握り締めた、、、。
私は左ウィンカーを出し、左側の斜線に移った、、、


私の車を追ってついてきていたマセラティが

「なんだ、この意気地なしが、、」


そんな顔の表情で私のジープを抜き去っていった。



「浮気がバレたのかもしれない、、」

そんな言葉を脳裏に反芻させたが、

絶対にバレるはずはない。


折角のオフワークで東京や仕事とのシャットアウトで
猥雑な環境を抜け出してきたのに

携帯があるせいで、電波がつながっている、
そのおかげで本当の開放感や自由を得ることができない。


ネガティブなオーラに包まれそうになったが、


ご来光がその憂鬱な気持ちをリセットささてくれるだろう、、と
そう思い、再びウィンカーを右に出し、追い越し車線にもどると、


私は5速までギアーを上げ、さっき一瞥を見せたマセラティを追い抜こうと
アクセルを思い切り踏みこむのだった、、


午前四時、、、


登山の仕事と同時に頭の中ではいくつかの複雑な仕事を
上手にこなさなければいけないという状況の中、



妙にワクワクせずにはいられなかった、、。



青森で久しぶりに恵理子と会う約束をしている、、、、。






「日本の百名山をすべて登る。」 特集その5 つづく、、、






麻山工業株式会社 代表取締役 高尾瞬